大義なき青き春

(たいぎなきあおきはる)
初演日:0/0 作者:原案:mist 脚本:あかざとう
『大義なき青き春』

推奨キャスト数:
9名(通行人4名、声のみの役をすべて舞台上に登場するキャストが兼役した場合)ー16名(通行人4名、声のみの役にすべて専属キャストを設けた場合)

登場人物:
アオイ(女)─主人公。高校2年生。
ハル(女)─アオイの友人。高校2年生。
先生(男)─アオイとハルが通う高校の教師。
男(男)─アオイの危機にたびたび現れる男。複数回登場するが、それぞれ別人物(シーンごとに別キャストが演じることも可能)。
店員─コンビニの店員。性別不定。
通行人1─4─街の人々。場面によっては警察の職員として機能。性別不定、人数は変更可能。

(以下声のみの出演、上述の役との兼役可)
アナウンサー─ニュース番組のアナウンサー。性別不定。
男子生徒の母(女)─ニュース番組に出てくる男子生徒の母親。
同級生(男)─ニュース番組に出てくる男子生徒の同級生。
評論家(男)─ニュース番組に出てくる評論家。
母(女)─アオイの母親。
警察─銀行に駆けつける警察。性別不定。
アドトラック(女)─トラックから流れる広告音声。


○アオイの夢

   アオイ、下手側から入場。
   アオイにスポット。
   アオイ、舞台中央に向かって歩きながらスマホを取り出して画面をつける。
   アオイ、画面を見つめながらスマホを弄っている。
   車のクラクションの音。
   アオイ、上手のほうを向く。
   ブレーキの音。

アオイ「あ、やばい。」
   
   暗転。

○アオイの自宅・リビングルーム

   アオイの自宅のリビングルーム。舞台上手側に玄関がある。
   舞台上手側にアオイのかばんが置かれている。
   舞台中央にアオイが座っている。アオイの側にはリモコンが落ちている。
   アオイ、菓子パンを食べながらニュースを眺めている。
   明転。

アナウンサー(声)「先月3日、東京都の高校に通う高校2年の男子生徒が自殺をはかり──原因はいじめと見られ──」
男子生徒の母(声)「たった1人の、かけがえのない息子なんです。もうすぐ部活の大会だって楽しそうに言ってたのに…」
同級生(声)「たしかによく怪我してたけど、でも転んだだけとか言ってたんです。全然気づかなかった…本当に、いじめてた人たちは許せないです。」
評論家(声)「いやあ、痛ましい出来事ですねえ。最近多いですよねえ。なぜこんなことになってしまったんでしょうねえ。やはり青少年の中で──」
アオイ「…こんなこと、ねぇ。」

   アオイ、菓子パンを食べ終えて立ち上がる。
   アオイ、リモコンを操作しテレビを消す。

アオイ「あーやだやだ、朝から。」

   アオイ、リモコンを舞台袖に置いてかばんを持ち、玄関へ向かう。

アオイ「いってきまーす。」

   数拍の沈黙。
   アオイ、ドアを開けて家を出る。
   鍵の音、ドアの開閉音。

○道中

   アオイ、家を出て歩いている。
   ハル、上手側から入場。

ハル「アオイ、おはよーっ!」
アオイ「あーハル、おはよ。ねね。」
ハル「ん?」
アオイ「聞いてよ、ちょっとさあ。」
ハル「なになに?」
アオイ「きのうめっちゃ嫌な夢見たの。」
ハル「へー夢!」
アオイ「なんか私、道歩いてんだけど。」
ハル「うんうん。」
アオイ「そしたら急に、キーってすごい音鳴って。」
ハル「え、車?」
アオイ「そそ、轢かれそうになんの。」
ハル「えーやばいじゃん、それで?」
アオイ「そこで目え覚めた。」
ハル「うっわー。やなやつだね、怖いねなんか。」
アオイ「やだよね。なんか。縁起悪そう。」
ハル「だねー。てかこんな年で死にたくないよね。」
アオイ「まあ…そっか。」
ハル「どしたの?」
アオイ「いや、なんで死にたくないって思うんだろうなって。」
ハル「だってやじゃない?普通に。」
アオイ「やだけどさー…生きたい理由もないんだよねえ。」
ハル「生きたい理由?」
アオイ「別に夢とかないし?部活とかがんばってるわけでもないしさ。」
ハル「あーそれね、あるよねえー。」
アオイ「だよねー。そんなに大志抱いてるわけでもないっていうか。」
ハル「たしかにそうかもなー…えー、私たちってなんで生きてるんだろう?」
アオイ「なにそれ、倫理の授業とかでありそー。」
ハル「『えー本日はですね、命についてですね、勉強していきたいと、思います。』」
アオイ「やばい、めっちゃ似てる。」
ハル「でっしょー?」
アオイ「ハルせんせー!」
ハル「はーい!──あっ、(咳払いし)『えーアオイさん、どうぞ。』」
アオイ「ハル先生は、人ってなんのために生きてるんだと思いますか?」
ハル「『えーそれはですね、えー…』──わかんない!」
アオイ「先生でもわかんないかー。」
ハル「だってわかんなくない?ほら、人生100年時代とかいうじゃん最近。」
アオイ「やば。超長。」
ハル「あと…70年?80年とか、ずーっと生きるってことでしょ?そんなにさ、長い間さ、なにしてくんだろ。」
アオイ「ほんとそれ…まだ17年しか生きてないのに、そんな先のことわかんないよねえ。」
ハル「だよねえ。(スマホを見る)…あー!」
アオイ「なにハル。」
ハル「アオイ、レポートやった?」
アオイ「え?あ、やった!化学でしょ?」
ハル「うっそ、私忘れてた…えー、やばいどーしよー…」
アオイ「はいはい、見したげるからー。」
ハル「わーっ、まじで!?ありがと、なんか奢るっ!」
アオイ「とりあえず早く行こーよ、学校でやろ。」
ハル「もうほんっとありがとー、超助かるーっ!」
アオイ「調子いいんだから。」
ハル「ハルちゃん、全力でアオイに恩返します!なんでも好きなもの言ってください!」
アオイ「うーん…あ。じゃあ私、ポテト食べたい。」
ハル「マックの?」
アオイ「うんマック。」
ハル「おっけー、帰りに行こー!」

   アオイ、ハル、駆け足で下手側へ退場。
   暗転。

○アオイの夢

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