株式会社間宮崎出版

(かぶしきがいしゃまみやざきしゅっぱん)
初演日:2009/8 作者:高見 宙

間宮崎出版(株)


■登場人物

・雑誌「文藝心中(ぶんげいしんじゅう)」編集室

担当   新人作家の担当を任された中途採用の編集者/低姿勢/NOと言えないタイプ/愚痴がすぐに口から出る

新人   ついこの間までニートしていた青年/おそらく、ただのアホ/何故作家デビューできたのか、自分でも疑問に思っている

デスク   自称・売れっ子コピーライター/大ざっぱ/編集長とは同期/「週刊神妙(しゅうかんしんみょう)」の担当もしている

編集長   「文藝心中」の編集長/デスクとは犬猿の仲

専務   「週刊神妙」の編集長/その場のノリで生きている

黒いフードの男 他社の大手週刊誌「週間文旦(しゅうかんぶんたん)」の記者/豊富な人脈と巧みな話術を使ってネタを集める/あちこちのライバル社内にスパイを持っている


・劇中劇の登場人物

桃太郎   桃から生まれた男の子/鬼を倒しに行かされる/正義感にあふれているようでそうでもない/後に年寄りになる

子供   世知辛い世の中から逃げるようにカメをイジメる/人の話を聞かないタイプ

カメ   不幸なカメ/まあ最悪ハリボテでも可

人魚姫   竜宮城の姫君/夢は人間になることと映画で主演を張ること

あんまんマン あんまんに手足が生えたヒーロー/原材料は粒あんと段ボール

ネズミー  竹から生まれたネズミ/二足歩行ができる/桃太郎の弟子になる


・声だけの出演

悪玉菌   人魚姫をさらった悪役/口癖は「まみむめも」/録音でも可

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■演者の人数について

ひとりふた役などで回していくと最小8人でできます。例えば……
 桃太郎と黒いフードの男
 子供と専務
 人魚姫とネズミー
 (カメはハリボテ)
 (悪玉菌は録音)

編集部の人々がその場で演じるようにしても面白いかもしれません。
そうすると5、6人でいけると思います。

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■劇中劇について

舞台上を劇中劇、舞台の下(舞台と客席の間)を編集室として別々に演じることを想定して書かれています。
ト書きの指示は以下のように分かれています。

編集室
    ○下舞台・照明
    ●下舞台・音響

劇中劇
    △上舞台・照明
    ▲上舞台・音響

劇中劇であることがちゃんと伝われば分ける必要はないのかもしれませんが、そのあたりは会場に合わせてアレンジしてください。

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#1  上舞台・竜宮城

    △上舞台・明転
    ▲水中の音
    上手側に桃太郎、下手側に人魚姫が立っている。
    下手袖ぎりぎりに、隠れるようにして子供もいる。


人魚姫       「ようこそ竜宮城へ。カメを助けてくれたそうですね」
桃太郎       「いいえ、当然のことをしたまでですから」
人魚姫       「是非お礼をしたいので、中へお上がり下さい」
桃太郎       「では、お言葉に甘えて」


    全員、舞台中央へ。桃太郎は物珍しげに辺りを見回す。


人魚姫       「ここはお暑いでしょう。はおりものをお預かり致します。どうぞ、奥へ」


    下手側へはける桃太郎。上着を脱いで戻ってくる。
    すぐ後ろから桃太郎の上着を持った子供が付いてくる。


桃太郎       「いやぁ、ここはとてもきれいですねえ」
子供       「いやぁ、まったくその通りですねぇ」
桃太郎       「お。お前はさっきカメをイジメていた小僧! なぜお前がここに。あっ、さてはまたカメをイジメに……」
子供       「マミー。なんかこいつ、めっちゃガンつけてくんだけど」


    子供が人魚姫にしがみ付く。凍りつく桃太郎。
    子供、人魚姫から離れ、ずいずいと桃太郎に歩み寄る。


子供       「痛いんだよねぇ。さっきあんたに殴られたほっぺたがさあ、すっごく痛いんだよねぇ」
桃太郎       「え?」
子供       「痛いんだよねぇ。胸がさぁ、ずきずきと。ほら、ボクチン、ダディーにも殴られたことなかったから」
人魚姫       「まあ、子供に手をあげるなんて、なんてひどい男かしら!」
桃太郎       「ちょっと待ってください。私は、ただカメを助けただけで……」


    子供、桃太郎から預かった上着のポケットを漁り、財布からIDを取る。


子供       「ええと、名前は桃太郎。岡山出身で現住所は……」
桃太郎       「おいっ、勝手に人の財布を……」
子供       「これでもう逃げられねえぜぇ」
人魚姫       「慰謝料は、そう……鬼ヶ島にある財宝、でどうかしら?」


    桃太郎、その場から動けない。


担当       「(声だけ)はいはいはいはい、ストップ!」


    △上舞台・暗転



  #2  下舞台・会議室


    ○下舞台・明転
    机がひとつ。端の方にはホワイトボード。
    机でPCに向かう新人と、後ろから覗き込む担当。


担当       「何これ」
新人       「今度はなんですか?」

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